ホンダモビリティソリューションズ株式会社
e-Bikeのサブスクレンタルサービス
https://everygo.jp/e-bike/

——— EveryGoについて

EveryGoは元々Hondaのカーシェア事業としてスタートしたサービスです。その後、デリバリー用途向けのお仕事用サブスク「EveryGoデリバリー」やe-Bikeのサブスク「EveryGo e-Bike」といったサービスを開始し、総合モビリティサービスとして成長を遂げています。EveryGo e-Bikeはその中の1サービスとして、スポーツ型電動アシスト付き自転車のレンタルを提供するサービスです。
これまでEveryGoではHonda製品を使用してサービスを展開していましたが、EveryGo e-Bikeではユーザーの多様なニーズにお応えするため、他社の車両も積極的に取り扱っています。

——— 導入前の課題

EveryGo e-Bikeが新しいモビリティサービスとして市場に出る前に直面していた課題は、ユーザーが本当に何を求めているのかを正確に把握することでした。具体的には、以下のような課題がありました。

1. 市場調査の限界
e-Bikeや電動キックボードをはじめとしたマイクロモビリティの市場は年々新しい商材が出ており、ユーザーの興味動向や市場環境は時々刻々と変化します。 従来の事業立ち上げのように、ユーザー調査や市場規模から仮説を立て事業化の確度を上げる手法もありますが、この分野は調査結果だけで市場のニーズを完全に把握することは困難でした。そこで我々はトライアルという形ではありつつも、実際に有償でお客様にサービスを提供して、リアルタイムで得られるフィードバックを通じて、仮説を検証し事業化の確度を上げるという手法を取りました。(参考:2023年5月~ e-Bikeサブスク〈β版〉の事業トライアルを1都3県で開始。後の「EveryGo e-Bike」につながった。)

2. 迅速な仮説検証の必要性
市場の変化が早いため、長期間の準備をかけることはリスクが高いと考えました。競争が激しいモビリティ市場では、スピード感を持って仮説を検証し、必要に応じて迅速にサービスを改善していくことが求められます。このため、迅速な仮説検証と改善を行うスピード感を持った事業推進が重要でした。

3. 顧客のトレンドの把握
カーシェア等のEveryGoの他サービスを通じて、これまでにユーザーが「所有」から「利用」へとトレンドがシフトしていることは把握していましたが、「所有」「利用」の2択ではなく、まず試してみて気に入ったら所有するというニーズもあるだろう。という社内での議論がありました。特に、マイクロモビリティのような新しい商材の場合、「試してみたいが失敗したくないよね。」という声も多くありました。そのため、サブスクで借りて気に入ったらそのまま購入というRent to Ownの仕組みをEveryGo e-Bikeでは是非チャレンジしたかったのです。

——— 導入理由

1. サブスクレンタルの重要性と充実した機能
EveryGo e-Bikeでは、サブスクリプション型のレンタル(月額決済の長期レンタル)と継続レンタルの先にそのまま購入して頂くサービスが中核をなすと考えていました。このビジネスモデルは、ユーザーに手軽に新しいモビリティを試せるメリットを提供できます。カウリルはこのサブスクレンタルに必要な機能を既に備えており、車両管理、予約管理、ユーザー管理、決済処理、レンタル後の購入など、レンタルサービス運営に欠かせない機能が充実していました。

2. 柔軟なカスタマイズ対応
EveryGo e-Bikeの目指すユーザー体験(UX)には独自の要件がありました。カウリルはその要件に対して柔軟に対応し、プラットフォームをカスタマイズしてくれました。具体的には、事業トライアルの際にユーザーインターフェースの調整や特定の機能の追加など様々な要望を聞いて頂き、EveryGo e-Bikeのニーズに合わせた改修を行ってくれたことが、事業化時の導入の決定打となりました。

3. 信頼性とコスト効率
カウリルは多くの企業で導入実績があり、その信頼性が高く評価されていました。また、既存のプラットフォームを利用することで、新たに開発するコストを抑えつつ、迅速にサービスを展開できるというコスト効率の良さも重要な要素でした。これにより、初期投資を最小限に抑えつつ、高品質なサービスを提供することが可能となりました。

——— 成果/良かった点/悪かった点

昨年からカウリルを利用した事業トライアルを行った後に2024年1月から本サービスとして提供開始しました。結果、想定していた顧客層をつかむことができはじめています。トライアルにより、仮説が正しかったことが確認できました。また、レンタル後に購入ができる機能は、他のプラットフォームではなかったもので、ユーザーフレンドリーな仕組みとして好評でした。特に、残債を引く仕組みはユーザーにとってメリットが大きいと感じました。
集客は依然として課題です。e-Bikeはまだ世の中の認知度としてもそこまで高くありません。また、自転車=購入するものという認識も強く、サブスクのメリットを広めるために地道な努力が必要です。e-Bike購入層だけではなく、サブスクで気軽に始められるなら試してみよう、と感じて頂ける層の開拓が重要です。 また、サービス開始後に返却された車体を見ると、ユーザーが非常に丁寧に使用し、きれいな状態で返却されることが多く、新たな発見となりました。

——— 今後やりたいこと

現在はe-Bikeに注力していますが、将来的には他のマイクロモビリティ商材も展開したいと考えています。サブスクを通じて高価なマイクロモビリティ商材の裾野を広げ、より多くのお客様に安心して便利な移動を提供したいと考えています。